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循環器・呼吸器科

足跡犬.PNG

検査

検査

心臓病の診断は複数の検査を組み合わせることで診断、および重症度の判定をすることができます。

​胸部レントゲン検査

心臓の拡大や、肺の状態を確認することができます。

仰向けや横向きで、犬猫に負担がかからないように手早く撮影していきます。

エコー検査

麻酔は不必要です。

主に、心臓内部の状態を把握するために検査を行います。

心臓病の診断では、非常に重要な検査です。

僧帽弁閉鎖不全症

カラードプラ法

肥大型心筋症

心収縮力や心筋壁の計測

僧帽弁閉鎖不全症 MR

左房拡大LA/AOの計測

心電図検査

心臓病が重度になると、不整脈を引き起こすことがあります。

心電図計をつけて、数分間脈の確認をしていきます。

血圧測定

高血圧を伴う心臓病の場合、心臓に負担がかかるため、血圧測定を行った上で、治療の選択をしていきます。

また猫の心臓病では、高血圧が大きな悪化要因となるため測定を行います。

​僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症

心臓には全部で4つの血液の逆流防止弁があります。

これらの弁が、心臓内での血液の流れを一定に保つことで、心臓が血液を押し出すポンプとして効率よく働くための重要な役割を担っています。 

『僧帽弁閉鎖不全症』は小型~中型犬で代表的な心臓病です。

4つの逆流防止弁のうち、『僧帽弁』が老化などによって変形して、『僧帽弁の閉鎖が不完全』になる病気です。

症状

初期は症状が全くありません。

進行すると、心臓のポンプ機能が低下して心臓内に血液が渋滞し、『心不全』を起こします。

○心雑音

○咳

○疲れやすい

○肺水腫

○呼吸促拍 

診断

犬の心臓病の場合、健診時に心雑音が聴取されることで発見されることが多いです。

『僧帽弁閉鎖不全症』は重症度に応じて、国際的にグレード分けがされています。

症状の聞き取り、レントゲン検査、エコー検査などをすることで、重症度の判定を行い治療方針を決めていきます。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症 E波

​僧帽弁からの血液の逆流が確認されます。その他、E波などの計測により重症度を評価します。

拡張早期波(E波)

治療

お薬を飲んで、心臓病の進行を遅らせることがメインの治療です。

初期であれば、治療の必要はありません。

ただし、定期検査を実施し、治療開始のタイミングを見逃さないことが非常に大切です。

まだ一般的ではないですが、手術も治療の選択肢です。手術を希望される場合には、専門病院をご紹介します。

肥大型心筋症

肥大型心筋症
肥大型心筋症 エコー

心臓の筋肉が異常に発達しています。

​これにより、心臓の動きが制限されてしまいます。

肥大型心筋症

猫で代表的な心臓病です。

心臓の筋肉が異常に肥大してしまうことで、心臓が上手に拡張できずに十分な血液を全身に送り出せなくなってしまいます。

症状

初期は症状はありません。

進行すると、心臓のポンプ機能が低下して全身に血液が送り出せず、『心不全症状』を起こします。

○心雑音(※心筋症があっても、心雑音が聴取されない場合が約70%)

○疲れやすい

○胸水・腹水貯留

○動脈血栓塞栓症→後肢の麻痺

○突然死

診断

犬と違い猫の心臓病の場合、心雑音が聴取されることが少ないため、発見が遅れることがあります。

症状などで心臓病を疑った場合、胸部レントゲン検査や心臓エコー検査、血圧測定を行い診断をしていきます。

エコー検査では心筋肥厚の計測、左心房の拡張をから血栓を疑います。

肥大型心筋症

悪化要因

肥大型心筋症の場合、以下の要因で悪化することがあるため、同時に検査をして治療方針を決めていきます。

○甲状腺機能亢進症

○高血圧

○頻脈 

治療

治療の目標は、内服により心不全症状を抑えて寿命を延ばすことです。

初期であれば、治療の必要はありません。ただし、定期検査を実施し、治療開始のタイミングを見逃さないことが非常に大切です。

拡張型心筋症

拡張型心筋症

心臓の収縮力の低下および心臓の内腔の拡張が起こる、大型犬で代表的な病気です。

心臓の筋肉がペラペラになってしまうイメージです。

症状

初期は症状はありません。

進行すると、心臓のポンプ機能が低下して全身に血液が送り出せず、『心不全症状』を起こします。

○心雑音

○疲れやすい

○不整脈

○失神

診断

レントゲン検査、エコー検査、心電図検査などで診断をしていきます。

心筋の菲薄化や​心収縮力の低下を計測し診断します。

拡張型心筋症
拡張型心筋症 FS

心臓の内腔が異常に広がっています。

心臓本来の力強い収縮力が​失われてしまいます。

拡張型心筋症

治療

治療の目標は、内服により心不全の症状を抑えて、寿命を延ばすことです。

​気管虚脱

気管虚脱

ヨークシャー・テリア、ポメラニアンなど小型犬で代表的な、進行性の呼吸器疾患です。

呼吸とともに一部の気管が凹んでしまう(虚脱)ことで、呼吸困難をきたします。

虚脱の程度によって、グレード1~グレード4に分類されています。

症状

○咳

○アヒル様呼吸(ガーガー)

○呼吸困難

診断

主にレントゲン検査で診断を行います。

吸気・呼気でのレントゲンを撮影することで、虚脱の部位を確認します。

治療

虚脱の程度が重度でない場合は、お薬を飲むことで症状の緩和をしてきます。

また、首輪からハーネスに変える、体重を適正に保つなど、首を圧迫しない工夫をすることで気管の負担を軽減します。

重度の場合は、手術が必要です。

頸部気管 正常

​頸部気管 正常

気管虚脱

気管虚脱

頚部の気管が虚脱しています。

​咳の症状を放置するとさらに悪化を促進させるので注意が必要です。

猫伝染性鼻気管炎(猫カゼ)

猫伝染性鼻気管炎(猫カゼ)

通称『猫カゼ』と呼ばれています。

しばしば子猫で認められます。

原因

病原体はウイルス、細菌、クラミジアなど多岐にわたります。

なかでも、猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスの関与が大きく、多頭飼育環境での感染・発症リスクが非常に高いです。

症状

くしゃみ、鼻水、結膜炎、角膜炎、元気消失、発熱などが認められます

また放置をすると、視覚喪失など後遺症が残る可能性があります。

治療

内服薬や、点眼・点鼻薬を使用することで症状の緩和を図ります。

猫カゼは、完治をすることはなく、症状がない間もウイルスは体に潜伏しています。

一度かかってしまった子は、ストレスなどで症状が再発するため注意が必要です。

猫かぜ 猫伝染性鼻気管炎

猫カゼの重度の症状です。結膜炎を起こして、目が開きにくく​なっています。

猫伝染性鼻気管炎

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