内分泌科
クッシング症候群
副腎は腎臓内側にあり、コルチゾールやアルドステロンなどのホルモンを分泌します。
クッシング症候群は、副腎からコルチゾールが多量に分泌されている状態です。
原因により下垂体依存性、副腎腫瘍性、医原性の3種類に分類されます。
症状
他院多尿や脱毛、腹部の膨満などが見られます。
腹囲膨満
左右対称性脱毛
診断
エコー検査では、副腎の腫れを確認します。
ACTH刺激試験では、コルチゾールの上昇を確認します。1時間ほどで終わる検査です。
症状や検査結果を合わせて診断します。
治療
クッシング症候群は放置されると、糖尿病や血栓塞栓症などを引き起こすので治療が必要です。
下垂体依存性クッシング症候群であれば、内服薬で治療するのが一般的です。
副腎腫瘍性クッシング症候群は、悪性腫瘍の可能性もあるので、教科書的には外科手術が第一選択です。
生涯内服による治療が必要な場合が多いので、しっかりと相談して治療を始めましょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺は頸部にあり、ホルモンを分泌します。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、甲状腺機能亢進症を発症します。
症状
体重減少や消化器症状が認められます。
進行すると体重減少が進行し、全身状態が著しく悪化する可能性があります。
診断
甲状腺ホルモンの高値により診断します。
高齢の猫での発症が多いです。
治療
食事療法や内服薬で治療します。
高齢猫では慢性腎臓病を併発していることも多いので、合わせてモニタリングしていきます。
糖尿病
インスリンの分泌が低下したり、インスリンへの反応が悪くなると、高血糖を引き起こし糖尿病を発症します。
症状
他院多尿や体重減少が見られることが多いです。
診断
持続的な高血糖と、尿糖を検出することで診断します。
インスリンへの反応が悪くなっている、抵抗性の基礎疾患がないかも精査します。
治療
人と同様に自宅でインスリンの注射により治療します。
糖尿病を診断後は、まず血糖値を落ち着かせるために入院か通院でインスリン量を決定します。
その後は定期的にモニタリングをします。
糖尿病は長期間治療されないと、ケトアシドーシスなどを引き起こし命の危険があります。
重症例では全身状態が著しく悪化するので、早期に治療を開始することが重要です。
肥満の猫では糖尿病発症のリスクになり、治療においても治療抵抗性のリスクになります。焦らずに少しづつダイエットも頑張りましょう。